鋼材のランダム繰返し載荷試験に対する複合硬化則パラメータ同定
単調引張試験から簡易設定した材料モデルと、ランダム繰返し載荷試験の履歴全体を対象に同定した複合硬化則モデルを比較しました。 反転後の再降伏挙動、バウシンガー効果、履歴曲線形状の再現性を改善することを目的としています。
データ出典
Hartloper らによる公開データベース Database of Uniaxial Cyclic and Tensile Coupon Tests for Structural Metallic Materials (Zenodo, DOI: 10.5281/zenodo.6965147, CC BY 4.0)に含まれる LP1単調引張試験およびLP9ランダム繰返し載荷試験データを使用しました。 図は公開試験データを当社で前処理し、材料パラメータ同定およびAbaqus確認解析を行って作成したものです。
簡易設定モデル
単調引張試験結果から、硬化成分が 等方硬化:移動硬化=1:1 となるようにAbaqus材料データを設定しました。
同定モデル
ランダム繰返し載荷履歴を対象に、 Abaqus複合硬化則(Chaboche型) のパラメータを最適化しました。 最適化には1D高速評価モデルを用い、最終的にAbaqus 1要素解析により再現性を確認しています。
評価の考え方
反転点だけでなく、各載荷枝の曲線形状を評価対象とし、試験データから解析曲線への距離が小さくなるようにパラメータを探索しました。 単調載荷ベースの簡易設定では表現しにくい反転後の履歴形状を改善しています。